玄 関
壁には両ユニットの入居されている方々とスタッフの写真や、基本理念、ケア理念、運営規程、自己評価表等を掲げ、何気なく外部へ情報公開をしています。全体的に木のぬくもりを感じる造りとなっており、アウルに来られた皆様を包み込むような暖かさで迎えられる造りとなっています。
談 話 ス ペ ー ス
入居されている方やご家族、またはスタッフがいっしょに喫煙できる場所を設けている。
囲炉裏、火鉢の間(昔の事を思い出せるスペ−ス)お茶を飲んだり、新聞を読んだり、時には火をおこし、暖かさを感じられるスペースです。
リビングに居ると、常時人の目にさらされるため、その事自体にストレスを感じる人がいます。リビングから離れた別の空間を設けることにより、居室以外でリラックスできる、重要なスペースです。
洗 面 所
従来のケアは、「顔を拭いてあげる」「手を洗ってあげる」等、「してあげるケア」が行われてきたが、その方のできる力を引き出すため、隣でいっしょに手を洗うなどモデリングというケアを行うために、2つ並べて設置しています。片方は、車椅子の方でもスムーズに使用できる設計になっており、また、タオルの位置はお年寄りの目線に合わせた高さに配慮しています。
ト イ レ

トイレの前を広く設けることにより、車椅子や歩行器の方も自分で中まで入る事ができます。手すりは、両サイドに建具を設けることにより、立ち上がりを自然な形で支えることができる工夫と立ち上がった際に手が届く範囲に手すりを設け、自立支援を促す配置になっています。
トイレ前の照明(スポットライト)は、人の暗闇での習性に学び、夜間の暗い状態でも、トイレ前を照らすことにより、自ら場所を認知できるような手助けの役目をしています。人は、空間的に場所を認知しているため、場所を認知する意味での「トイレ」等の表示は行っていません。目の前に来たときに、認知しやすいための役割としての表示であれば必要であると思います。
廊 下
観葉植物や絵画、装飾品など、普段私達が自宅を飾るのと同じような感覚でしつらえてあります。また、廊下等に設置している手すりは、施設のような手すりらしさを感じる事のない工夫をしています。掴むのではない、支えるための手すりとして設置しました
.脱 衣 所
脱衣所には、なるべく物を置かないようにしています。なぜなら、洗濯機や物品庫を置くことにより、入居されている方々が入浴中に、スタッフが脱衣所に入らなければならない状況になり、落ち着かない雰囲気や入居者の羞恥心を無視した環境になってしまうからです。その為に、入浴拒否に繋がったりと、不安な状況に置いてしまいかねないのです。また、トイレを隣設する事でプライベートが確保できる造りに配慮しています。
浴 室
こちら側の一方的な入浴日の設定はせずに、24時間いつでも入れます。一人で入りたい方、支援が必要な方、それぞれの情況にあわせた対応を心がけています。
一人で入りたい方など、浴室内の転倒の危険性が高くなりますが、浴室前で動いてる音、気配や声かけで安全確認をすることを見極めのケアとして考えています。(気配のケア・見極めのケア)
ユーティリティー
主に洗濯場として活用しています。この空間は、スタッフが主体的に動くことになる
場所です。(高齢者の前ではゆっくり、静かにが原則)すなわち、スタッフのペースで
仕事をする=せかせか動いたり、テキパキ仕事をこなしてしまう空間になりやすいのです。
その為、入居されている方々に、そのあわただしさが伝わらないようにする為のユーティリティースペースでなくてはなりません。アウルでは、台所を中心として、洗濯場、浴室を置き、スタッフの導線を極力短くし、スタッフの動き(移動時)のあわただしさを漂わせない環境に配慮しています。

居 室
居室の広さは7.87畳です。全てのしつらえに関してご家族の方にお願いして、出来るだけ早く環境に馴染む為にも、本人が以前使っていた物、馴染みのある物を持ち込んで頂けるようにお願いしています。
また、全室ナースコールを設置して、緊急時に対応できるよう配慮しています。
キ ッ チ ン
キッチンは間口を広く取り、自然な形で気軽に、入居されている方々とスタッフが一緒に台所仕事ができるようにしている。間口が狭いとスタッフのみで仕事をしてしまう傾向になり、入居されている方々が気軽に入ることができない環境を作ってしまいます。
リ ビ ン グ
リビングは吹き抜けの造りになっており、入居されている皆さんやスタッフにとって
お互いが2階にいても1階の人の気配や音、匂いが感じることができたり、1階にい
ても2階の気配が感じられる空間になっています。(気配のケア)
窓を多く設け、日中はできるだけ自然光を取り入れるようにしてます。食事をとるスペース、テレビを見るスペース、書き物や洗濯物をたたむスペース、3つ程度の空間に分かれています。(テレビは小さめの物を用意し、別な空間に影響を与えない配慮をしています)また、足踏みミシンや卓袱台などを置き、入居されている方々の時代にあった物を置き何気ない刺激を感じることのできるようにしています。
階 段
直線的な階段は転倒の危険や、脳の障害によって視覚的に狭くなっていく方々にとっては恐怖感、不安感を与えるため、必ず中間に踊り場を設けることが大切であるとの考えにより設置しています。
幅は人ふたりすれちがえる広さを確保しています。また、階段の手すりは、他の手すりと違い、しっかりと掴むことのできる物を設置し、より安心して昇り降りできるよう配慮しています。
2 階 喫 煙 所
喫煙所の意味の他に、皆と一緒に居たくないけれど人の気配を感じていると安心できる人の為の空間として設置しました。ここに居ると、1階の様子が見え、声(音)やキッチンからの匂い等の雰囲気が伝わってきて、皆の中に居るような一体感を味わうことができます。
五感の刺激にも繋がり、ホッとできる空間として最適です。
また、天窓からは自然光を感じることができ、さらに心地よく過ごして頂けるような配慮になっています。
2 階 連 絡 通 路
お年寄りが自由に行き来できます。お年寄りは自分のユニットが自分の家という感じで、あまり行き来はありません。お隣さん感覚の付き合いなのでしょうか
金 魚
普通、金魚は水槽や金魚鉢に入れ観賞しますが、普段見慣れてくると興味を示さなくなるため、火鉢風なつぼで飼う事によって、中に何が入っているのかの興味をそそり、次には覗き込み、火鉢の中の金魚の存在に驚きを覚える(意外性)、という刺激を感じることができるようにしています。
ウ ッ ド デ ッ キ
外部環境も大切な空間です。リビングから自由に外に出ることができ、日向ぼっこやテラスでの昼食や休息の場として設けました。また、正面の庭には、家庭菜園や花壇を設けることにより、入居されている方々と一緒に育て、一緒に収穫し、食べる事ができます。
さらに、道路に面している事でご近所の方々との交流の場や挨拶の場としても活用できます。