私ごとで大変恐縮ですが、先月、還暦(60歳)を迎えることができました。私が「アウル」を立ち上げた歳が39歳でしたので、かれこれ21年になります。この間、色々と沢山の経験をさせていただきました。一言では伝えられませんが、私がずっと大切にしてきたことがあります。それは、入居者の方、利用者の方を尊重した優しい所作と声かけです。
ずっと介護現場にいた私は、自分でも知らず知らずのうちに、慣れ合いの関係になっていたことを反省しました。これは馴染みの関係とは異なる一方的な親しみからくる関わりだったり、声かけだったり、でした。ただ、それは何年も何十年も一緒に生活をしていると、一見、良好な関係性が築かれているように見えますが、実はそれは傲慢な錯覚だったのです。
あらためて、この仕事の本文を冷静に捉えますと、やはり「尊厳」をいかに保っていく関係性を継続するかが大切であるとよくわかります。
21年前、私は、「彼らの尊厳は守る」とアウルを始めました。最後に残るのは「人間の尊厳」です。人はどうありたいのか、どうしたいのか、そこを大切にするアウルでいて欲しいと思います。