漫画家である井上雄彦（いのうえたけひこ）さんが、スラムダンク成功の秘訣は、「登場人物すべてに必ず欠点を作ること」と答えたそうです。何でもできるオールマイティーな人間は、絶対に作らないとのこと。
人は長所で尊敬され、短所で愛される。完璧な人を目指さなくていいし、不完全さは、世界を面白くするために必要なんだろうと思います。
例えば、ドラえもんは、ネズミが苦手だし、ウルトラマンは、３分間しか持たないし、孫悟空はしっぽを握られると力が抜けます。
欠点がその人の大きな魅力となり、欠点は欠かせない点となるわけです。
そこには自分しか持っていない、貴重なお宝が眠っていると思うと、欠点は克服するものではなく、可能性を広げてくれるものなんだと思います。
私は欠点だらけなので、周りの人がよく助けてくれます。要は、自分一人では足りないことだらけなので、その足りなさを誰かに補ってもらっているのです。それは、意識するしないにかかわらず、必然的に起きていることです。
つまり「足るを知る」とは、すでに満たされていることに満足する意識を持つ事という意味だけではなく、自分の足りなさを知ることで、謙虚に生きることへの戒めの意味も含まれているのだろうと思います。