いつからだろう。
気がついたら食欲がなくなっていた。
いつからか解らない。
時折、お腹を押さえては、眉間に皺を寄せている。
一口食べては静かに箸をおろす。
食事以外は『家に帰りたい』と口にする。
次第に興奮し出し、一般的に言う『暴言』『暴力』を振るうようになる。
こうなると、食べる状況ではなくなる。
かなり私の記憶が抜け落ち断片的ではあるが
以前このようなお婆さんにかかわったことがある。
結論を申し上げると、この方は『腸閉塞(イレウス)』寸前の状態であった。
もう一日遅かったら『死』に至っていただろうと医師から言われた。
私の未熟さで彼女を死の危険にさらしてしまっていた。
人の言動には、必ず訳がある、理由がある、意味がある。
認知症であろうが、なかろうが。
簡単に『BPSD』という言葉で片付けられない。
必ず意味があることを決して忘れてはいけない。
特にプロフェッショナルである私たちは・・・
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