この間、白老町で行われました尊厳死についての講演会で、講師の長尾和宏医師が『リビング・ウィル』のことをご提案されておられました。『リビング・ウィル』とは、延命治療しない自然な最後を希望する「生前発行の遺言書」のことを言うそうです。私は50歳を過ぎ、最近気になることが増えています。例えば、10日間の間に同じ雑誌を2冊も買ってしまったり、自分の唾液で誤嚥したり、誤嚥で咳き込み夜目が覚めたり、口から出て来る言葉と言いたい言葉が違ったり、『ん〜ん〜』と知らないうちに言っていたり、予定を忘れていたり、朝起きたら足腰の節々が痛かったり、筋肉痛が遅れたり(いつの運動や行為のものかが解らない)、涙もろくなったりと様々なのです。若いときは感じたり気にしたりしなかったことが、今気になり出しているのです。ただ、どちらかというと自分に起きていることはあまり気にしないで我が道を行くという生き方をしてきたので、その習慣からかそんなに重篤に気になるまではいっていないので、大丈夫なのですが、さすがに10日間の間に同じ雑誌を2冊も買ってしまったことに関しては、しばらくは尾を引いていました。このように、人は変化し、今まで出来ていたことや、解っていたことが、危うくなって行くのです。『リビング・ウィル』。生きているうちに自分の死とまでは言いませんが、少し考える時間を持ってみるのもいいものです。最近私は研修会や講演の際に必ずお渡しするものがあります。それは、この『リビング・ウィル』にインスピレーションをいただき作成しました、認知症バージョンの『リビング・ウィルシート』です。つまり、認知症になったときのために備えて、して欲しいこと、して欲しくないこと、認知症になったときの生き方、暮らし方を書いておくものとして作りました。このシートを書いておくことで、いつでも認知症になったとしても、このシートを将来担当するであろう自分のケアマネージャーに渡して、ケアプランを作成してもらう時の参考にしてもらうのです。どう死にたいかも人生最大のテーマですが、今の時代、認知症が当たり前の病気として認識されるようになり、私たちの生き方も変容して行くことでしょう。備えあれば憂いなし。今から心がまえも含めて準備していきませんか?
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