私は基本的に、人やものを評価することが嫌いだ。多分評価されることが嫌だからだと思う。人は必然的に相対的にできている。自分をただ生きたい、それだけでいいのだが、この世界ではそうはいかないようである。最近、陰ながら尊敬している人物を題材にしたテレビドラマを観た。それを観てもっと好きになってしまった。
 『立川談志』である。立川談春というお弟子さんが書いた『赤めだか』という原作本がドラマ化されたのである。その中で談春の師匠(イエモト)である談志が『嫉妬』について談春に説いている。
 その一節をご紹介する
『己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱味を口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬と云うんです。一緒になって同意してくれる仲間がいれば更に自分は安定する。本来なら相手に並び、抜くための行動、生活を送ればそれで解決するんだ。しかし人間はなかなかそれができない。嫉妬している方が楽だからな。芸人なんぞそういう輩の固まりみたいなもんだ。だがそんなことで状況は何も変わらない。よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方がない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う』
 そうなのである。明確で適切な示唆に驚きを隠すことができなかった。最近では、SNSで相手をコテンパンに一方的に避難している輩もいるようである。人の振り見て我が振りなおせ。それだけでいいのである
誰かに賞賛されたり同意される必要はない。
ただ自分で云っていることとやっていることが同じであることが礼儀であり真理である。
自分の胸に手を置いてみるとわかる。
自分の内なる声に耳を傾けるとわかる。

感謝

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