皆さん、『3秒に1人』何の数字かわかりますか?世界に目を向けると、3秒に1人の子供が命をなくしている現実があります。世界中で、30以上の戦争が起きて、国の命令で人を殺め、憎しみが憎しみを生んでいる現実があります。
 日本のどこかで、介論者の感情の赴くまま、振り回されているお年寄りがいます。13歳の若さで癌と宣告され、戦い続け、命をまっとうした少女が残した言葉は、「皆さん、幸せってなんですか?地位や名誉やお金ではなく、今、生きているってことが、私は幸せだと思います」と。私達の弱さと強さを凝縮した言葉です。 
 不安で、不安でたまらなく、何度も何度もお手洗いに行くお年寄りの姿があります。その不安と共にあろうとする姿があります。と同時に、その不安の理由を果てしなく追求しようとしている姿があります。ご飯を食べないお年寄りの姿があります。ご飯を食べていただけるよう、様々な工夫を凝らしている姿があります。と同時に、その食べない理由を果てしなく追求している姿があります。私は、その姿こそ尊いと思っています。ご家族の皆様のどこに向けてよいのか、わからない不支とその歯がゆさから来るであろう叱責を全身で受けている姿があります。誰にも褒められず、誰にも認められず、懸命にその姿を支えている姿があります。正義の味方の感情と悪者の感情とが、心の中で戦っている姿があります。どんな姿であろうと、「生きている」。お互いの「生きている」姿を大切にしようとしている姿があります。                            
 私は思います。私達のしている事は、誰になんと言われようと、驕りでもなく、白分たちの地位や名誉を守ろうとするのではなく、ましてやお金ではなく、人間の生きている姿を支えている尊い、素晴らしい仕事です。一番大事な「愛」という本質を大切にしている仕事です。どうか、諦めないで下さい。私達の諦めが、彼らの諦めになってしまうんです。どうか、わかって下さい。どんな人間にも、感情があり、愛があることを。
                                     合掌

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