朝、目がさめた。
心の声 「あれ、ここどこだべ」
不安がつのる。
心の声 「あれ、なんだべ。あれ、皆どこさ行ったんだべ」
不安がつのる。
心の声 「家さ帰らねばなんねぇ」
心の声 「誰かいるべか。あっ、いた。あの人に聞いてみるべ」
心の声 「ここどこだべ。なんで私はここにいるんだべか。わからない」
不安がつのる。
現実の声「帰ります・・・」
そんな不安わかりますか。
午前の昼ちかく。中庭で。パラソル付のテーブルを囲み。
成子ばあちゃん「いいねぇ」
ハナばあちゃん「あの木、なんて言うの」
ムツばあちゃん「ナナカマドだべさ」
ハナばあちゃん「あんなに大きくなるんだね」
ムツばあちゃん「いい天気だね」
ムツばあちゃん「青一面」
成子ばあちゃん「ひなたぼっこ」
スタッフ「あっ、ちょうちょ」
犬(アウル)が悲しそうな声で鳴く。
成子ばあちゃん「あるる(本当はアウル)、なしたの。ここにいるよ皆。なんでそんなに泣くの」
タバコをくわえてスタッフが登場
成子ばあちゃん「あら、お兄さんタバコかい」
「煙を吸ってるんだもね」
「タバコは止められないよ。煙に味がついてんだ」
「全然雲ひとつないよ」
犬が鳴く。
「あるる、どうしたの。なんでそんな悲しい声で鳴くの」
「雲ひとつないね」
「いやぁほんとだね」
「あの赤い実、食べたいね」
「あれ食べれないべさ」
「犬に食わせればいいべさ」(笑い)
「今何時だべ」
「11時40分だわ」
「あれ、もう昼だね」
「いくべ」
みんな移動する。
みんな玄関に靴をしまいにいく。
「あぁ、気持ち良かったね」
お昼ごはん。
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