前回に引き続き、高齢の人達の生きる姿をご紹介致します。

88歳 女性
自宅から2時間かけて職場に向う。ご主人は既に他界され「仏様になってるの!」と少し寂しげに快活に話す。その仕事はなんだろうと見ていると、なんと関西国際空港内のある航空会社のビップ用ラウンジの受付ガールであった。英語が堪能で、流暢な英語で海外の人たちと会話している姿がなんとも頼もしい。一旦定年退職をしたが、お客様から会社へ「やめさせないで欲しい」との沢山の手紙が届いたという。会社も粋である。一旦退職した彼女を2週間後に再び呼び戻したという。彼女曰く「年齢なんか考えたこともないわ」「この仕事は私の生きがいです。この仕事ができなくなったら死ぬわね。ホホホホホ!」

70歳代 女性
お弁当屋さんを経営している女社長である。なんも着飾ることのないその存在感。若い頃、あの天下のNHKに入社し、料理番組を長く担当していたという。今はその経験を活かし、安全で安心できるお弁当を作っている。そこで仕事をしている作り手は全て50歳以上の女性である。この会社は50歳以上の人しか採用していないという。そして驚いたのは定年の年齢である。なんと定年は90歳!彼女たちの顔は活き活きしていた。

私の勝手な推測と偏見をあえて申し上げると、彼ら彼女たちは絶対に「認知症」にはならないだろうと思う。今を懸命に生きている。何かのせいにすることもなく、不平不満を言うこともなく、今をしっかりと認め生きている。ひたすら自分のすること、ひたすら自分の在り方を追究している。仕事をしていること、仕事を持っていること、誰かに認められようと言う思考も言葉も行為もなく、ただひたすら今を生きている姿が確かにそこにあった。勇気付けられた瞬間であった。ありがとうございました。
感謝

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