6月の終わりに友人と二人であの世界遺産に登録された知床半島の付け根にある羅臼に出掛けてきました。
友人と二人で講演と講演の合間をぬって出かけてきたので、少々慌しく時の中を過ごしましたが、とても有意義で珍事満載な研修旅行となりました。
羅臼に到着後すぐに「熊の湯温泉」という露天風呂に出掛けました。この温泉は、町民の方々の手作りだそうで、羅臼の住民にとって、とても愛着のある温泉との事でした。友人は以前にここを訪れた事があるようで、勝手もわかり気持ちよさそうに温泉を楽しんでいましたが、私は初めてで、更にとっても熱い温泉でしたので、なかなか湯船につかることが出来ずにいました。すると、町民の方(多分漁師の方々)だと思いますが、「兄ちゃん!このお湯はただだから、入る前にたっぷりお湯をかけて入りな!したら熱くないから!」と声をかけてくれたのです。何だか昔子供の頃、町内の銭湯に行っていた頃を思い出しました。その頃も、知らないおじさんに話しかけられたり、怒られたり、褒められたりしていた頃がありました。今では、「知らない人に声をかけられたら逃げなさい」と教えられているようですね。決して昔を懐かしみ「あの頃は良かったな〜」とは言いませんが、あの頃は人と人とのコミュニティーがあったのは確かです。それを羅臼で感じました。漁師同士が自分たちで作った温泉につかりながら、今日の漁の話をしている姿はまっこと微笑ましく感じました。
その夜民宿で食事をとっていると目の前の川に、なんとシマフクロウが餌をとりに来ているではありませんか。幸運な鳥として崇められているシマフクロウです。縁起のいい鳥、同時に「アウル」の象徴でもあるフクロウと遭遇し何か目に見えない縁を感じた旅でした。
人と人との温もりを大切に、自然の生態系の中で生活している人間の在り方を垣間見た旅でもありました。都会にはない圧倒的な大自然の営みを間近で感じ、人間で在ることの自覚と責任を感じ、改めて私たちに出来ることを考えさせられた時間としてしっかりと私の心に残るでしょう。
ありがとうございました。
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