『生き抜く』
                      東日本大震災で被災された方々へ
                                    藤川幸之助
  津波が襲ってきたとき 「私を置いて早く逃げろ!」
  と、叫ぶ車椅子の母を 置き去りにして 
  命からがら避難してきた息子
  目の前で流されて行く娘に 手を伸ばしても手を伸ばしても
  どうすることもできなかった父親
  小学校に登校したまま帰らない 息子を探し続ける母親
  数え切れないほどあることを知りました

  あなたの悲しみは 私の中のどんな悲しみより悲しいのだと
  あなたの涙をみたときに思いました
  あなたの抱いた絶望は わたしの中のどんな絶望より深いのだと
  あなたの悲しみに耐える その後ろ姿を見たときに感じました

  でも、あなたは生きてください
  どんなに辛くても 生き抜いてほしいのです
  あなたの愛した大切な人が 
  生きたくても 生きたくても 生きることができなかった 
  今日というこの日の上に あなたは立って
  その大切な一日を あなたの愛した人の分まで
  あなたにはしっかりと生きてほしいのです 生き抜いてほしいのです



この詩は、私の友人であります、詩人 藤川幸之助氏が東日本大震災で被災された方々へ贈られ、彼らの精神的な支えとなった詩です。
感謝

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