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往時明々

2019年11月01日 | 未分類

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 木々や花々が大好きで笑顔の絶えないYさん、今日、1日
98歳の誕生日を迎えた。
 幼少期、今は遠い島となった樺太(現サハリン)に渡り青春時代を過す。間宮海峡に面した製紙や炭鉱の街、恵須取町である。
 結婚、誕生、終戦・・・・そして引き揚げは昭和23年。
 悲しい記憶もあるが、楽しかった思い出も沢山秘めている。

 Yさんは、足が達者である。目もいい。
 杖を手に背を丸めコツコツ コツコツと歩く。
 毎朝、新聞も読む。本や週刊誌も大好きだ。なかでも望郷の念やみがたく樺太に関する本は熱心に読む。
 スタッフは、図書館を巡り何冊もの記録を見つけた。
 その中の一冊、「樺太1945年夏」に眼が釘づけとなる。
 母校の上恵須取尋常高等小学校や懐かしい街並みが載っている。
 眠っていた往時の記憶がとめどなく蘇る。
 この小学校を優等で終え、卒業総代を務めたという。
 
 時は移り、子ども達も成長、手がかからなくなったのを機に園芸の仕事に専念すべく造園会社で庭師の修行に励んだ。
 木や石にも限りない愛情を注ぐ仕事ぶりは、メキメキ頭角を表し、昭和50年当時、道内の女性では数少ない造園技能士に挑戦し見事合格。
 その後、女親方として木・花・石・築山・池など総合的な美しさを創造する庭師として多くの足跡を刻んできた。
 卓越した技能が認められ北海道知事賞を受賞する機会にも恵まれた。

 晩秋のひととき、好きな本に触れ、来し方に思いを馳せ
笑顔の日々を愉しんで頂きたい。

   グループホーム アウル登別館          
           地図「樺太1945年夏」引用
                

12:30 | 記事 nao