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『思いのたけ』

2016年10月25日 | 未分類

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私たちは、ずっと『認知症』の状態にある方々の支援に携わってきました。
人の強さと弱さをありのままに実感してきましたし、していますし、これからもしてゆくでしょう。ですからどんな姿も有りで、その姿同士が支え合っているに過ぎないと感じています。本来、私たちが目指しているところはそこにあるのではと、日々自問自答しています。
 社会の仕組み創りは、個々の在り方の集積により、柔軟に強さも弱さも受け入れられる事のできる社会の実現だとすると、『認知症』という一点だけのことではないと思います。あくまでも『認知症』は切り口であり、『グループホーム』もひとつの仕組みというか道具に過ぎません。多分、私たちは、その仕組みの有する機能の中で、最大限の敬意と尊厳の元に、人の命と向き合うことが使命なのだろうと思います。
 以前、こんな方がいらっしゃいました。
 Aさんという方が右手に箒を持ち、左手にちりとりを持って室内の掃き掃除をしていたとします。その方と僕との関係が途切れない関係の空間(感覚空間)の中で、互いに繋がり抱きながら掃除をしているとします。しかし、時に別な方との空間や関係を優先しなくてはいけない事態が起きた場合、私の中では優先順位が働き、別なBさんという支援のベクトルへと動くとします。その間、私はAさんから離れます。少しの時間だと思うが、再びAさんをみると、左手に箒を持ち、右手にちりとりを持ち、そのちりとりで掃除をしているという事態になる。
 例えばこんな具合に、Aさんの中で起こっている事の事実をしっかりと見極め、その方の認知機能が継続的に働くように支援してゆくことと、やがて、Aさんの『認知症』に伴い、全てが行えない状態になってゆく。そのプロセスを支援してゆくことが、私たちが行っている本来のケアです。
 私たちはそこの追求にかけてきましたし、またこれからもそこを追求していこうと思うと共に、そこがわたしたちの使命だと思います。その中で起こりうる困難なことは、多種多様に共同していくしかありません。それぞれの特徴をお互いに出し合いながら、折り合いをつけていくことなのでしょう。
 そこで、今回のフォーラムでは、今後グループホーム果たす5つのミッションを掲げさせていただきました。目先の課題ではなく、その先の未来を見据えて、今の行動、アクションを皆さんと考えたいのです。それが、今回のテーマである『グループホームの新時代を考える』なのです。今回のフォーラムの場が、グループホームのあり方、すなわち『Being(あり方)』を考える切っ掛けとなれば幸いです。さぁ!!大いに議論していただきたい!!この5つのミッションを切り口に、地域のおける認知症支援の真の切り札として、どう育んでいくのかを徹底的に議論を深め、我が国における『認知症』の状態にある方々への支援の光を導き出していただきたい!!当日、ご登壇いただける皆さんだけではなく、会場に集まっていただける皆さんが、その思考と言葉と行動をフルに活動していただけると幸いです。
 何度も申し上げ恐縮ですが、生活(暮らし)をベースに『認知症』に伴う総合的な支援が継続的に展開できる場として、さらなる発展を目指して、それぞれの特徴を生かし、最期まで人生を謳歌できるように、地域の中で応援する存在として新しい時代を創造していこうではありませんか!(宮崎直人)

10:50 | 記事 nao [コメント:2]

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