わたしたちの介護という仕事は、人間の「生きる」という本能の部分に働きかけるという普遍性に満ち溢れる仕事です。ですので、一般的にいうエビデンスを超越したところにある仕事なのではないかと思います。例えば、ラーメン屋さんに行って、幾つかのメニューの中からは選ぶとします。私は味噌ラーメンが好きですから、迷わず味噌ラーメンを注文します。もし、味噌ラーメンを選んだその根拠(エビデンス)を問われても、その答えは「好きだから」「食べたかったから」となるでしょう。人間が生きてゆく過程のひとつひとつに、エビデンスを持って説明や証明出来ないところに、私たちの仕事があります。つまり、生きてきた、生きている、生きてゆくそのものがエビデンスだとしたら、私たちの介護という仕事は、その一人ひとりの生き様ひとつひとつの「考え方」に目を向けることが大切になってくると思うのです。その「考え方」を評価してもらえるように、こんな「考え方」で関わることで、今までできなかったことが出来るようになったという姿や、若しくは出来なくなってしまったという姿を、生活の中にたくさん見出だして生かしてゆくことに他ならないと思うのです。本来、私たち介護の仕事は機能の改善ではなく、生活する気持ちの改善に目を向け、そのための支援を考え続けることだと思います。
未承認 2023.02.07-03:26 このコメントを編集する
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