昭和63年7月、僕は介護に世界に飛び込みました。あれから、かれこれ30年になります。
その間、順風満帆でもなく、色んな壁があり、乗り越えたり、横からすり抜けたりしながら、その都度あらゆる感情を抱きましたが、チームや仲間たちと話し合い、お互いに支え合って解決してきました。
研修に参加しては、自分の知識や意識やスキルを高めていきました。でも、いつも感じていたことでしたが、僕たちがケアされる事はまずありませんでした。それは、自分でケアするしかありませんでした。
そこに、虐待や不適切なケアの本質や前提が隠されているのではないかと僕は考えています。
逆に僕たちこそケアが必要な人たちではないかと、いつもそう感じていました。
ですから、これからの僕の役目は「認知症」の話や「介護」の話もとても大切ですが、これだけ伝える人も増え、ましてやご本人さんが声を出し伝え、書籍まで出る時代になりました。様々な研修や講演会が盛んに行われていますので、そこはお任せすることにして、僕は「介護する人をケアする」を重要なテーマとして、これからも継続して伝えていくことが大切だと思いました。
つまりケアされるケアがケアされる良きスパイラルを創造していくことが大切だと思うのです。
介護にあたる人が、ケアされる業界や世の中にしていかなくてはいけない、そこに意識が流れるようになると、この業界の質はさらに高まることでしょう。
この仕事は、心も身体も魂も満全に活かされる、人間性溢れる人間専門職です。滅茶苦茶な英語ですが、ヒューマンプロフェッショナルです。誇りある介護師を目指して、将来希望の持てる職や仕事になるように育んでいけたらと考えています。