今日はアウルに一日いた
アウルの中を一回りする
リビングに面した階段を上る途中
2階にあるお爺さんの部屋が半開きになっていて中の様子が見えた
帽子をかぶり窓の外をジーッとみている
その姿は微動だにしない
後姿ではあるが何か思い詰めている様子がうかがえる
男の背中が何かを語っているといった感じだ
素通りもできたが
気になったので声をかけた
「○○さん、こんにちは」
「あっ!こんにちは、いつもお世話になっています」
彼はいつも礼儀礼節を欠かすことなく相手を尊重した言葉遣いのできる方だ
「外を眺めておられましたが・・・」と少々言葉の語尾を濁すと
少し照れくさそうに
「いや、どうやったら家に帰れるかなと思いまして。。。」
「そうですか、どうやって帰りましょうか」と返すと
「考えてみます」とさらに照れくさそうに笑みを浮かべる
誰だって帰りたい
できれば今すぐにでも帰りたい
それができない自分の状態であったり
その姿を受け入れることのできないこの国の制度であったり、家族であったり、地域であったり、社会なのだ
最大限譲って
新しいところでの自分で居場所や存在価値やここにいる訳や理由や意味を自分で探すしかない
僕たちがいくら介入しようが焼け石に水である
ただ
探そうと考えてるときや探しているとき
自分で何かを見つけられるように
沢山の仕掛けを備えておくことはできる
あとはつかず離れずの距離で傍にいられるかどうかだけだ
寄り添うとはそういうことだ
お爺さん!
いつか帰ろうや
家に帰ろうな・・・・・(みやざきなおと)
※写真は、お爺さんの後姿。